私たちの生活を支える電子基板
電子基板(プリント基板)は、私たちの生活に欠かせない存在です。スマートフォン、パソコン、家電製品、そして医療機器や自動車、産業ロボットにまで幅広く使われ、あらゆる電子機器に不可欠な役割を果たしています。
基板には電子回路が組み込まれており、それが正しく機能することで、私たちは便利で安全な生活を送ることができています。
しかし、電子基板の製造や修理の現場では、常に品質を維持するために慎重な作業が求められます。
少しのミスでも大きな問題につながるため、不良箇所をしっかりと把握し、適切に対処することが重要です。そこで、不良箇所のチェックで活躍するのが「基板チェックマーク」です!
今回は、最終検査作業の強い味方である「基板チェックマーク」について簡単にご紹介いたします。
[基板チェックマークについて動画で確認する]
目次
1. 基板の製造や検査現場でよくある困りごと
2. 相反するが成立する 基板チェックマークの特徴と利点
3. 基板チェックマークの活用シーン
4. まとめ
1. 基板の製造や検査現場でよくある困りごと
基板の製造や実装、修理において、検査は欠かすことのできない重要な工程です。
途中工程でも、AOI(自動工学検査)やチェッカーなどの機器を使用して、はんだ過多やはんだ不足、はんだブリッチ、位置ずれ等がないか検査が行われます。そして最後に、人の目で最終確認 が行われます。
その際 現場では、下記のような悩みが生じています。
- 不良箇所が分かりにくい
基板はとても細かい構造を持っているため、目視で問題のある部分を見つけて記憶するのは大変です。一度見つけた箇所を見失ってしまうと、再びチェックをしなければならず、作業の効率が低下してしまいます。 - 修理後の再確認が複雑
修理が終わった基板に再度チェックを行う際、どこが問題箇所だったか分からなくなってしまうことがあります。これにより、再確認作業がスムーズに進まなくなり、無駄な時間が発生することもあります。 - 基板に跡を残したくない
基板はデリケートな部品です。強力なシールを使ってしまうと、剥がした際に跡が残り、外観が悪くなったり、基板そのものが傷ついたりするリスクがあります。
こうした現場での困りごとは、品質管理や作業効率にも影響し、時にはコストの増加を招くことも。
そこで登場するのが「 基板チェックマーク 」です。
2. 相反するが成立する 基板チェックマークの特徴と利点
基板チェックマークは、現場での困りごとを解消するために開発された特別なシールです。
以下の特徴により、作業者をしっかりサポートします。
■ 貼りやすく剥がれにくい
基板チェックマークは特殊加工綿布でできており、柔らかく基板にぴったりフィットします。また、適度な粘着力を有しており、コンベアでの移動や輸送時でもしっかりと密着し、問題箇所を示します。
■ 適度な厚みで剥がしやすい
適度な厚みで掴みやすく、粘着力がありながら、剥がす際は簡単に剥がせるため基板の点検にとても便利です。
■ 視覚的に不良箇所を明確化
問題箇所に基板チェックマークを貼ることで、どこに不具合があったかが一目で分かります。このため、修理後の検査や次の工程への引き継ぎがスムーズに行え、確認ミスも大幅に減少します。
用途に合わせて5種類のサイズや色が選べます。
種類 | コマ寸法 | 1シート当たりのコマ数 |
---|---|---|
白地黒矢印 | 7.5mm×6.5mm | 256コマ |
赤字黒矢印 | 7.5mm×6.5mm | 256コマ |
黄地黒矢印 | 7.5mm×6.5mm | 256コマ |
白地赤矢印(大) | 7.0mm×5.0mm | 340コマ |
白地赤矢印(小) | 4.0mm×3.0mm | 600コマ |
- 材質・・・特殊加工綿布
- 耐熱温度・・・80℃
- RoHS対応
- ハロゲンフリー
3. 基板チェックマークの活用シーン
基板チェックマークがどのように役立つか、実際の活用シーンを見てみましょう。
シーン1: 製造工程での不良箇所の特定
製造ラインでの品質チェック時に不良箇所を発見した場合、基板チェックマークを貼ることで、その箇所を一目で把握できます。
これにより、次の工程においても確認が容易となり、手戻りを防止します。さらに、品質管理の効率が向上し、不良品を減らす効果も期待できます。
シーン2: 修理の際の不良箇所の印として活用
修理作業中に発見した不良箇所に基板チェックマークを貼り付けることで、修理が完了した後も問題箇所がはっきりと分かり、再確認の際に便利です。
結果として、修理の精度を高め、再発防止に役立ちます。
シーン3: 最終検査でのスムーズな確認作業
製造や修理の最終検査でも基板チェックマークが活躍します。過去に問題があった箇所を基板チェックマークが示すことで、最終検査がスムーズに進み、見落としが減少します。これにより、品質管理の精度がさらに向上します。
4. まとめ
基板チェックマークは、電子基板に関連する現場の困りごとを解消する頼もしいツールです。
視覚的に不良箇所を特定できることで、作業の効率を上げ、ミスを減らすことが可能になります。また、基板を傷つけることなく貼りやすく剥がしやすいこのシールは、基板の品質を守りながら現場の作業をサポートします。
基板チェックマークを活用することで、品質向上と作業のスムーズな進行が実現し、最終的にはコストの削減にもつながります。
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ご不明点等ございましたらお気軽にご連絡ください。