冷凍コンテナへ電源供給するためには、「三相200V〜220V」を「三相400V〜440V」へ変換する昇圧器が欠かせません。とはいえ、いざ導入しようとすると「タイプがいくつもあって、どれを選べばいいのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、弊社(株式会社ケー・シー・シー・商会)が販売している昇圧器3タイプについて、それぞれの特徴とどんな現場に向いているのかを、お客様視点で分かりやすく解説します。導入を検討されている方は、ぜひ最後までご覧ください。
・3口タイプ(IP54・タイマー式・順次給電対応)
・1口タイプ(IP44・防水強化モデル)
・1口タイプ(IP23・標準モデル)
1. そもそも昇圧器とは
冷凍コンテナは、海外仕様 400V〜440V級の電源を前提に作られていることが多く、国内の一般的な工場・倉庫・港湾施設で使われている三相200V〜220Vの電源とは規格が合いません。そこで必要になるのが、入力された200V系の電気を400V系へ昇圧(変換)して供給する「昇圧器」です。
既存の電源設備をそのまま使えるため、新たに高圧受電設備を増設するといった大規模な設備投資をせずに、冷凍コンテナへの安定給電が可能になります。これが昇圧器を導入する最大のメリットです。
2. 3タイプの基本スペック比較
まずは3タイプの主なスペックを並べて見てみましょう。
| 項目 | 3口タイプ(IP54) | 1口タイプ(IP44) | 1口タイプ(IP23) |
|---|---|---|---|
| 型式 | KCC-B-16-00 | KCC-B-18-00 | KCC-B-17-00 |
| 出力口数 | 3口(タイマー切替給電) | 1口 | 1口 |
| 保護等級 | IP54相当(防塵防滴) | IP44(防水強化) | IP23(標準) |
| 出力電圧 | 3Φ3W 400V 20A | 3Φ3W 400〜440V 32A | 3Φ3W 400〜440V 32A |
| 重量 | 約150kg | 約132kg | 約132kg |
| 入力ケーブル端末処理 | 標準でプラグ付属 | 選択式(オプション) | 選択式(オプション) |
| 特徴 | 即使用可・導入容易 | 防水性能を強化 | コストを抑えた標準モデル |
ひと目で分かるのは、3口タイプは「すぐ使える」ことを重視した完成品であり、1口タイプの2種は「現場に合わせてカスタムできる」ことを重視した仕様だという点です。
3. 3口タイプ(IP54・タイマー式順次給電)はこんな現場におすすめ

3口タイプの最大の特徴は、1台で最大3台の冷凍コンテナにタイマー式順次給電ができることです。
タイマー設定により、
・設定1:コネクタ1のみ常時給電
・設定2:コネクタ1→2の順に切替給電
・設定3:コネクタ1→2→3の順に切替給電
という3パターンから選べます。
1台のコンテナにどれくらい給電を行うかの細かな設定が可能です。
複数のコンテナを同時に常時冷却する必要がない場合(保管温度が安定していて、一定時間ごとに冷却すれば十分な場合など)、1台の昇圧器で複数コンテナを順番にカバーできるため、設備台数を増やさずに運用効率を高め、結果としてCO₂削減にもつながります。
また、保護等級はIP54相当と非常に高く、粉塵やあらゆる方向からの飛沫にも耐えられる設計です。半屋外設置で
も安定稼働が可能です。
さらに屋外対応キャスター付きで、港湾や広い倉庫内でも本体の移動がスムーズに行えます。
加えて、入力プラグ・出力レセプタクルともに標準装備されており、届いたその日から接続して使い始められる「即戦力」モデルである点も大きな魅力です。
こんな方におすすめ
- 冷凍コンテナを複数台(〜3台)保有・運用している
- 設置スペースや電源設備を増やさず、効率的に複数コンテナを管理したい
- 屋外や半屋外で、頻繁に設置場所を変更する可能性がある
- 端末処理など細かい仕様検討の手間を省き、すぐに使い始めたい
4. 1口タイプ(IP44・防水強化)はこんな現場におすすめ

1口タイプは、1台のコンテナに対して安定した電力を供給したいケースに適しています。
IP44モデルは「あらゆる方向からの水の飛沫に対して保護」される性能を備えており、軒下やポーチなど、屋根があり雨風が直接吹き込まない場所に向いています。
また、入力ケーブルの端末処理(端末処理なし/圧着端子取付/プラグ取付)を選択できる仕様になっており、既存の配電設備や現場の配線方式に合わせてカスタマイズできる点もメリットです。全部の仕様が揃っている3口タイプとは異なり、必要な部分だけを選んで装備を整えられるため、過剰な装備にコストをかけずに済みます。
こんな方におすすめ
- 運用するコンテナが1台、もしくは昇圧器を複数台導入してコンテナごとに割り当てたい
- 半屋外での使用を考えており、防水性能をやや高めに確保したい
- 既存の配線・端末処理方式に合わせて仕様をカスタムしたい
5. 1口タイプ(IP23・標準)はこんな現場におすすめ

IP23モデルは、1口タイプの中でも標準仕様にあたるモデルです。見た目はIP44と同様ですが、内部構造が異なります。保護性能は「60度以内からの水しぶきからの保護」となっており、IP44に比べると防水性能はやや控えめですが、小雨や通常の雨程度であれば対応可能です。屋内設置や、雨の影響を受けにくい屋根付きの保管庫・倉庫内での利用であれば、十分な性能といえます。
最大の魅力は、必要な機能を絞り込むことでコストを抑えられる点です。3口タイプのような複数口対応や、IP44のような強化防水性能を必要としない場合、IP23モデルを選ぶことで無駄なく予算を活用できます。端末処理もIP44同様にオプションで選択可能なので、現場の実情に合わせた最小限の構成で導入することができます。
また、機械的インターロック機構(差し込まないと通電しない構造)は3タイプ共通の安全機能として搭載されており、感電事故や不意の抜け落ちといったリスクを抑える設計になっています。コストを抑えつつも安全性は譲らない、というバランスの取れたモデルです。
こんな方におすすめ
- 屋内や屋根のある場所での使用が中心で、強い防水性能までは不要
- できるだけコストを抑えてまずは1台導入してみたい
- 将来的な拡張や用途変更に応じて、後から仕様を調整したい
6. 価格を抑えたい方への考え方
「とにかく安く導入したい」という場合は、1口タイプ(IP23)が最有力候補になります。1口タイプは端末処理などをオプションで選べる「最低限の仕様」をベースにしているため、3口タイプのようにキャスターや複数口対応をすべて標準搭載したモデルに比べると、必要な装備だけを選んで価格を抑えやすい設計になっています。
ただし、安さだけを追求して防水性能や設置環境とのマッチングを見誤ると、後から「やっぱりIP44にしておけばよかった」「コンテナが増えたから3口タイプに買い替えたい」となってしまうこともあります。初期費用だけでなく、今後の運用拠点数や設置環境の変化も見据えて選ぶことが、結果的にコストパフォーマンスを高めるポイントです。
7. 選び方まとめ
最後に、これまでの内容を簡単にまとめます。
- 冷凍コンテナを複数台(2〜3台)同時に運用している、または将来増える予定がある
→ 3口タイプ(IP54・タイマー式) がおすすめ。1台で複数コンテナをカバーでき、移動も簡単。 - コンテナは1台のみで、軒下やひさしの下など半屋外での使用を検討しており防水性が高いものがよい
→ 1口タイプ(IP44・防水強化) がおすすめ。防水性能を確保しつつコストも調整可能。 - コンテナは1台のみで、屋内や屋根付きスペースでの使用が中心。コストを最優先したい
→ 1口タイプ(IP23・標準) がおすすめ。必要十分な性能を、最小限のコストで。
8. おわりに
昇圧器は一度導入すれば長く使う設備のため、「今の運用」だけでなく「これからの運用」も見据えて選ぶことが大切です。コンテナの台数が増える見込みがあるなら3口タイプ、1口で防水性能が高いものならIP44、コストを優先しつつ屋内中心の利用ならIP23、というように、現場の状況に合わせて選んでいただければ、無駄なコストをかけずに安定した電源環境を構築できます。
仕様や価格について不明な点がございましたら、お気軽に株式会社ケー・シー・シー・商会までお問い合わせください。各リーフレットもご用意していますので、現場の状況を伺いながら最適な1台をご提案させていただきます。
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