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【洋上風力発電とは】注目の再エネと、その裏で活躍する電気供給コネクタと筐体技術

再生可能エネルギーへの移行が求められる今、洋上風力発電が日本でも急速に注目を集めています。発電効率の高さや長期的な電源供給の安定性から、多くのプロジェクトが全国で進行中です。本記事では、洋上風力の基礎情報から、風車を支える重要な部材――電気供給コネクタとそれを収納する"筐体(エンクロージャ)"の役割について簡単に解説します。

洋上風力

1.洋上風力と陸上風力の違いは?

洋上風力・陸上風力

簡単に説明すると、風車を海上に設置するか陸に設置するかの違いです。
風力発電とは、風の力で風車を回し電気を生み出す発電方法です。設置場所の違いで大きく「洋上風力」と「陸上風力」に分けられ、さらに洋上風力は設置方法の違いで"着床式"と"浮体式"に分けられます。

[洋上風力と陸上風力の比較表]
項目洋上風力陸上風力
設置場所海の上(海底・浮体)陸地(山間部など)
風の強さ強く安定している地形や障害物の影響を受けやすい
発電効率高いやや劣る
建設費高額(海上施工が必要)比較的安価
メンテナンス高コスト・高難度陸上で比較的容易

洋上風力は高効率である一方、建設・保守に高度な技術と設備が求められます。

2.洋上風力発電の仕組みと主な部品の役割

洋上風力の部品

1)仕組み

簡単にいうと、洋上風力発電は 海の上に建てた風車で風の力を電気に変える 仕組みです。

[風が電気に変わるまでの流れ]
  1. 風が吹く風車(風力タービン)の羽が回る
  2. 回転の力が発電機に伝わる
  3. 発電機が電気をつくる
  4. その電気が海底ケーブルで陸に送られ、私たちの生活に使われる

2)洋上風力発電の主な部品とその役割

部品名役割
ブレード(羽)風を受けて回転する大きな羽。飛行機のプロペラに似ていて、風の力を回転の力に変える。
ナセル(頭の部分)発電機やギア、変圧器などが入っている箱のような部分。羽の動きを電気に変えるしくみがここにある。この部分の変圧器は、発電機で作られた電気の電圧を送電に適した高い電圧に変化するために設置される。
ハブ(羽の付け根)羽をナセルにつなぐ部分。羽をまとめて回転させる。
発電機羽の回転を電気に変える装置。ナセルの中に入っている。
タワー(支柱)高さ数十メートルの支柱。羽とナセルを海の上に高く持ち上げる。
基礎(海の中の土台)タワーを海の底にしっかりと固定する土台。浮体式の場合は海に浮かぶ土台をアンカーなどで固定。
海底ケーブル海の中を通して発電した電気を陸に送るケーブル。送電線のような役割。

3.世界の洋上風力トップ3メーカー

洋上風力トップ3メーカー

1)Vestas(ヴェスタス) – デンマーク

■ どのような会社?
  • 世界最大級の風力発電専業メーカー
  • 1945年創業、本社はデンマークのオーフス
  • 陸上風力の分野で圧倒的なシェアを誇る
  • 世界80ヵ国以上に風力タービンを設置済み
■ 洋上風力の特徴
  • 近年は洋上風力にも注力しており、MHI Vestas Offshore Wind(※現在はVestasに統合)を通じて市場に参入
  • 主力モデル:「V236-15.0 MW」 ⇒ 直径236mのローター、最大15MWの出力を誇る最新型
  • 北欧・北海エリアでの導入実績多数
  • 効率と耐久性に優れたハブ・ローター技術が強み

2)Siemens Gamesa(シーメンス・ガメサ)|ドイツ・スペイン

■どのような会社?
  • ドイツのSiemens Wind Powerと、スペインのGamesaが2017年に合併
  • 洋上風力の分野では世界シェアNo.1
  • 欧州、アジア(台湾、日本)などで多数の実績を持つ
■ 洋上風力の特徴
  • 主力モデル:「SG 14-236 DD」シリーズ  
    ⇒ 14〜15MW級、ダイレクトドライブ(ギアレス)構造でメンテが少なく信頼性が高い
  • 早期から洋上風力に注力し、実績豊富
  • アジア市場への展開も積極的(台湾・日本で採用例あり)
  • シーメンスエナジーの技術と組み合わせた電力変換・送電技術も強い

3)GE Renewable Energy(GEリニューアブル・エナジー) – アメリカ

■どのような会社?
  • アメリカの**General Electric(GE)**の再生可能エネルギー部門
  • 風力・水力・太陽光・グリッド関連などを手がける
  • 洋上風力では比較的新しいが、急成長中
■ 洋上風力の特徴
  • 主力モデル:「Haliade-X(ハリアデX)」シリーズ  
    ⇒ 世界最大級の出力(最大14~18MWクラス)、ローター直径220〜240m級
  • アメリカ・ヨーロッパの大規模洋上風力プロジェクトに採用
  • 一体型ナセル設計で建設性に優れる
  • グリーン水素との組み合わせ提案など、次世代再エネとの連携提案力が強み
[トップ3比較表]
メーカー主な特徴主力機種(出力)
Vestasデンマーク陸上での実績豊富、近年洋上強化V236-15.0 MW
Siemens Gamesaドイツ/スペイン洋上風力シェアNo.1、メンテ性◎SG 14-236 DD
GE Renewable Energyアメリカ巨大風車「Haliade-X」で注目Haliade-X(14〜18MW)

日本でも、洋上風力の多くは高信頼性・大出力対応の欧州メーカー製タービンが選ばれています。

4.日本国内の建設主体は?

洋上風力建設 SEP船

日本では以下の企業・コンソーシアムが主導しています:

  • JERA(三菱商事 × 中部電力)
  • 丸紅コンソーシアム
  • 東京電力リニューアブルパワー 住友商事 × 関西電力
  • 東芝・日立エナジー など

設置地域は、北海道、秋田、千葉、長崎、北九州などが中心です。

5.日本の洋上風力のこれから

洋上風力

政府の導入目標:2040年までに最大45GW

技術的注目点:浮体式洋上風力の実用化

地域との共存:漁業・景観への配慮が重要なポイント

[参考資料:経済産業省 洋上風力産業ビジョン(第1次)概要 令和2年12月15日 洋上風力の産業競争力強化に向けた官民協議会 より]

浅い海が少ない日本では、浮体式洋上風力の実用化によって設置できる海域が広がり、風の強い場所で効率よく発電できるようになります。これは、国の再生可能エネルギー目標を実現するための大きな力となります。

6.重要!電気供給コネクタと筐体の役割

洋上風力設備では、発電そのものだけでなく、風車内部の照明・点検用電源・通信装置への安定供給も不可欠です。 そこで活躍するのが、産業用電気供給コネクタと、それを安全に収めて運用する"筐体(エンクロージャ)"です。

コネクタと筐体が必要になる主な場面

  • 洋上タワー内部や船上でのメンテナンス作業用の電源確保
  • 塩害・風雨・紫外線といった過酷な環境から機器を保護
  • 脱着可能な仮設電源が必要な工事・点検フェーズ
  • 分電盤や制御盤へのインターフェース端子の外部化が求められる場合

このような場面では、防水性・耐腐食性・安全性に優れたコネクタと、それを適切に収納・接続できる筐体が不可欠です。

MENNKES コネクタ 筐体設計製作
MENNKESを取り付けた筐体

7.確かな実績-MENNEKES製コネクタ&筐体設計・製作なら(株)ケー・シー・シー・商会

ドイツのMENNEKES(メネケス)社は、国際規格IEC 60309に準拠した高品質な工業用コネクタで世界中の風力発電現場に採用されています。 特に洋上風力に求められる防水・耐塩害・耐衝撃に対応した設計が高く評価されています。 そして、このMENNEKES製コネクタの購入、そしてコネクタを組み込んだ筐体(エンクロージャ)を一括製作できるのが、株式会社ケー・シー・シー・商会です。電材、そして表示盤メーカーである当社は、半世紀以上に渡りインフラ設備を陰で支えてまいりました。豊富な経験と長年積み重ねてきたノウハウから、安全性と使いやすさを考慮しお客様が求めるものを提供いたします。

(株)ケー・シー・シー・商会の強み

  • MENNEKES製品の正規代理店
  • 技術的な問い合わせ対応がスムーズ
  • 現場要件に合わせたカスタム筐体の設計・製作対応
  • ワンストップサービス 一度の注文で完結◎

製品単体だけでなく、現場ですぐに使える完成品筐体として提供できる点が、ユーザーから高い信頼を集めています

 SEP船 導入事例 はこちら 
SEP船
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8.まとめ

洋上風力発電の拡大に伴い、風車そのものだけでなく、周辺設備の品質と信頼性がますます重要視されています。 その中でも、電気供給コネクタと筐体は、現場の安全・効率・長寿命化に不可欠な存在です。 世界的に評価されているMENNEKES製品と、それを実装した筐体設計・製作は、ぜひ"株式会社ケー・シー・シー・商会"にご相談ください専門スタッフが現場ニーズに合わせた最適なご提案をいたします。

お問合せは、サイト内お問合せフォーム または お電話(078-992-1113)まで(平日8:45〜17:30※12:00~12:45を除く)

[ 株式会社ケー・シー・シー・商会 公式サイトはこちら]

netshoplink

《掲載のない商品もお取り寄せ可能です。お気軽にショップ内お問合せフォームよりご連絡ください》


よくあるご質問(FAQ)

Q:コネクタ単体でも購入できますか?
A:はい、単品での販売も可能です。また、使用環境に合わせた筐体との一体提案も得意としています。

Q:設計段階での相談は可能ですか?
A:もちろん可能です。技術スタッフがサポートいたします。