
製造業や研究開発の現場では、「部品に管理番号を刻印したい」「プラスチックや金属にロゴやコードを入れたい」「トレーサビリティのために二次元コードをマーキングしたい」といったニーズが増えています。その際に活躍するのがレーザーマーキング加工です。 しかし、多くの企業様からこんなお悩みを耳にします。
・依頼したい数量が少ないため、大手加工会社には断られてしまった
・試作品や単発の加工に対応してくれる業者が見つからない
・急ぎの納期に間に合う加工先が欲しい
・樹脂や金属など、異なる素材に対応できるか不安
当社では、こうしたお客様の声に応えるため、1個からの小ロット対応・短納期・柔軟対応 を強みとしたレーザーマーキング加工サービスを提供しています。
このブログでは、レーザーマーキングの仕組みについて簡単にご紹介するとともに、弊社ご依頼いただけるマーキングの紹介やご依頼方法についてご案内いたします。
1.レーザーマーキングの仕組み

レーザーマーキングとは、高エネルギーのレーザー光を素材に照射し、表面を変化させて文字や図形を刻印する技術
です。レーザー光の熱エネルギーや光化学反応によって、素材表面の色を変化させたり、彫刻のように削り取ったりすることで印字を実現します。
主な加工原理
- アニーリング(焼きなまし):素材の表面を酸化させ、黒色や白色のコントラストを出す(主に金属)
- エッチング(彫刻):レーザーで表面を削り、文字や模様を刻む
- 発泡マーキング:樹脂内部に気泡を発生させて白色に浮き上がらせる
- 剥離マーキング:塗装や表面膜を除去し、下地を露出させて印字
これらを素材に応じて使い分けることで、さまざまなマーキングを実現しています。
2.レーザーマーキングの種類と特徴
レーザーの種類 | 波長(nm) | 媒質 | 特長 | 主な用途 |
---|---|---|---|---|
ファイバーレーザー | 約1,064nm | 光ファイバー | 高出力・長寿命・金属に強い | 金属マーキング、彫刻、深彫り |
CO₂レーザー | 約10,600nm | CO₂ガス | 非金属に強い | 木材、紙、アクリル、ガラス |
UVレーザー | 約355nm | Nd:YVO₄ の第3高調波 | 熱影響が少ない・微細加工 | 電子部品、ガラス、医療機器 |
グリーンレーザー | 約532nm | Nd:YVO₄ の第2高調波 | 反射材に強い | 銅、金、銀、基板 |
Nd:YAGレーザー | 約1,064nm | YAG結晶 + Nd | 古典的な固体レーザー、現在はファイバーに置換傾向 | 金属マーキング |
Nd:YVO₄レーザー | 約1,064nm(基本波)、532/355nm(高調波) | YVO₄結晶 + Nd | Nd:YAGより高効率・高精度、小型化可能 | 精密部品、電子部品、樹脂 |

業界では Nd:YVO₄レーザーを「固体レーザー」や「YAG系レーザー」と一括りにすることが多いです。
「Nd」 は、ネオジム(Neodymium) という元素(原子番号 60、希土類元素)を指しています。
3.当社で対応できるレーザーマーキング
当社は複数種類のレーザーマーカーを所有しており、さまざまな素材に対応可能です。
下記のような幅広いマーキングが可能です。
- 金属(鉄、アルミ、ステンレスなど)へのマーキング:深彫り、黒色印字、シリアル番号刻印
- 樹脂やプラスチック部品へのマーキング:ロゴ印字、文字・コードの高精度刻印
- ガラス・透明素材へのマーキング:割れにくく微細な印字が可能
- 電子部品や医療機器などの微細マーキング:熱影響を抑えた高精細な印字
※記載は一例であり、材質によってはマーキングが難しい場合もございます。




4.当社レーザーマーキングの強み
1.小ロット対応(1個からOK)
試作品や単発の依頼も喜んで対応いたします。
2.短納期でスピード対応
自社所有設備を使い、柔軟かつ迅速に加工が可能です。
3.幅広い素材に対応可能
金属・樹脂・ガラスなど、異なる素材に合わせて最適なレーザーを選定します。
4.柔軟なカスタマイズ性
二次元コード、シリアル番号、ロゴ、目盛りなど、多様なマーキングに対応します。

5.事例紹介
事例1:部品の生産ロット管理
ある精密機器メーカー様から、「部品を載せる搬送トレイにロット番号と二次元コードを刻印したい」というご依頼をいただきました。 レーザーマーキングにより、トレーサビリティ管理が可能となり、生産履歴を正確に追跡できる体制を構築できました。
事例2:計測治具へのマーキング
製造現場の計測用治具に対して、「SUS(ステンレス)素材に目盛りを精密に刻みたい」というご要望をいただきました。 当社では、直接マーキングによる黒色印字や、塗装後にレーザーで剥離する手法を活用し、高精細な目盛りを実現しました。
事例3:建設現場向け吊り具用レーザー印字銘版
建設現場向け吊り具に、定格荷重と自重をレーザー印字した金属銘版を採用頂きました。お客様からは短納期対応を評価いただいております。[写真はこちら]
事例4:当社製品レーザーマークバンド
当社製品である、後付け可能な配線標示材 「マークバンド」 にレーザーマーキング仕様が新たに加わりました。
「既存の印字内容以外にも自由に文字や記号を入れたい」というお客様のご要望から誕生した製品です。
ナイロンなどの樹脂素材に対してもレーザーマーキングが可能で、耐久性の高い刻印 を実現します。

6.こんな方におすすめ
■ 単発・試作品のマーキング依頼をしたい方
■ 数十個~数百個の小ロット生産に対応してほしい方
■ 定期的な部品へのロット番号・シリアル番号印字が必要な方
■ 金属・樹脂・ガラスなど、多様な素材へのマーキングを検討している方
7.ご依頼から納品までの流れ

①ご依頼
印字を行う材料の情報、印字内容、数量をご教授ください。
[提供いただくデータ例:イラストレーター、CAD、PDF、画像 等]
⇒ お電話[078-992-1114]または、左記ボタン[お問い合わせ]より【レーザーマーキングのブログを見て】とご連絡ください。
②テスト印字・御見積
印字する材料、または端材を御支給いただき、テスト印字を行います。
(このテスト印字は、材料に印字できるかどうかの確認となります。製品自体を製作するものではございません。基本的に無償ですが、依頼内容によっては有償となる場合がございます。また、材料支給、返送に関わる費用はお客様負担となります。)
③ご注文
印字する材料をご支給ください。調整用に予備品を1つ以上ご用意願います。
※一部金属銘板は弊社で調達することも可能です。
④データ作成
御支給いただいたデータをもとに、弊社にて校正用データを作成いたします。
⑤データ確認
校正データをご確認いただき、製作イメージの最終確認を行います。修正等ございましたらお申し付けください。
ご確認ご了承いただいてから、製作へ進みます。
⑥製作
印字する材料をご支給ください。調整用に予備品を1つ以上ご用意願います。
※一部金属銘板は弊社で調達することも可能です。
⑦納品
最短にてお届けいたします。ご希望日等ございましたらお申し付けください。
8.まとめ
レーザーマーキング加工は、製造業においてますます重要性を増しています。特にトレーサビリティや品質保証、研究開発の場では欠かせない技術です。
当社では、
● 小ロット(1個~)対応
● 短納期・柔軟対応
● 複数種類のレーザーを活用し、幅広い素材に対応可能
という強みを活かし、多くの企業様からご依頼をいただいております。
試作や単発案件から、定期的な生産までお気軽にご相談ください。テスト印字も承っております。
レーザーマーキングの依頼を検討されている方は、ぜひ一度ご相談ください。
🔹 お問い合わせ先
TEL:078-992-1114 営業時間 8:45~17:30(12:00~12:45を除く)
「レーザーマーキングのブログを見て」とお伝えいただくとスムーズです。
🔹 お問い合わせフォームなら24時間受付中!
左記ボタン[お問い合わせ]より【レーザーマーキングのブログを見て】とご連絡ください。
その際、材料の情報、印字内容、数量等を簡単にご記載いただけますと幸甚です。
皆さまからのご連絡お待ちしております。