長年に渡り、配線の接続方法は、圧着端子(丸形やY 形)を付けてネジ締めする方法でしたが、最近はネジ締めに比べ配線工数が少なく、高度な接続作業スキルを必要としない「差込み接続」を採用する企業が増えております。端末非処理やフェレール端子のスプリング端子台、圧接式端子台を使用する場合、従来のマークチューブは電線に入れても緩く自由に移動するため、電線を機器・端子台から外したときに脱落する恐れがありました。配線作業において、チューブのずり落ちや回転の有無は作業効率を大きく左右する重要なポイントです。
そんな問題を解決するのが、当社の「スキッドレスチューブ」です。チューブの内側にヒダがついており、電線をしっかりキャッチするためずり落ち等の心配がいりません。
ヒダが付いているチューブには、ほかに"ノンスキットチューブ"もございます。今回は、それぞれの違いに触れながらスキッドレスチューブの魅力について簡単にご紹介いたします。

目次.
1.スキッドレスチューブの特徴
2.採用ケース
3.採用実績
4.お客様の声
5.まとめ
1.スキッドレスチューブの特徴
① 3つのヒダでずり落ち・回転を防止
スキッドレスチューブの最大の特長は、チューブの内側に施された3つのヒダです。このヒダが電線にしっかりとフィットし、ズレや回転を防ぎます。これにより、線番が読みやすい状態を維持し、作業ミスを防ぐことができます。

② マーカーチューブと同等の印字性
スキッドレスチューブは、マーカーチューブと同等の印字性を備えています。文字カスレが発生しにくいため、チューブへの印字作業がはかどります。また、通常印字を行う場合、印字と同時に指定の長さでカットを行います。スキッドレスチューブならチューブが柔らかく、カットができないといった心配はいりません。自社で印字カットをされたい方にはとてもオススメのチューブです。(ノンスキットチューブは、肉厚が0.5mmと厚くヒダがあるため、通常の印字機によるカットは難しい場合があります。)
【スキッドレスチューブとノンスキットチューブ断面比較写真】

③ ノンスキットチューブよりも柔らかく、電線に通しやすい
ノンスキットチューブと比較すると、スキッドレスチューブは肉厚が薄くチューブが柔らかいです。
また、ヒダの数がノンスキットチューブと比べると少ないです。その為、電線に通しやすく、特に電線への装着時の作業負担を軽減できるため、大量の配線作業にも適しています。
④ 適用範囲の広さで在庫管理が楽に
スキッドレスチューブは、内径サイズ別に下記6種類のラインナップを揃えており、適用電線外径1.8mmから5.6mmまでをカバーしています。
例えば、内径2.8mmのスキッドレスチューブは、適用電線外径1.8~2.4mmの範囲で使用可能なため、電線ごとに複数のサイズを揃える必要がなく、在庫管理がしやすくなります。

内径(mm) | 2.8 | 3.4 | 4.0 | 4.6 | 5.2 | 5.8 |
肉厚(mm) | 0.4 | 0.4 | 0.4 | 0.4 | 0.4 | 0.4 |
適用電線 ※1 外径(mm) | 1.8~2.4 | 2.3~3.2 | 2.9~3.8 | 3.5~4.4 | 4.1~5.0 | 4.7~5.6 |
包装単位 (m/巻) | 200 | 200 | 200 | 200 | 100 | 100 |
※1 適用電線外径はあくまで目安です。線種によっては入らない場合があります。
その場合は1つ大きいサイズをお選びください。
⑤ 高耐久性・環境対応
環境規制にも対応しつつ、耐熱性にも優れているため、幅広い用途に対応可能です。
耐久性(電気絶縁性、耐熱性、摩耗性など)に優れた軟質塩化ビニル製です(耐熱温度60度)。
RoHS等の環境規制にも対応しております。
⑥ 販売単位とカスタマイズ
1巻単位または1袋(100個入)から販売。[公式オンラインショップはこちら]
カット品は、ご希望の文字を印字し、指定の長さでカットいたします。
お客様の用途に応じたカスタマイズが可能です。

【注文依頼イメージ】
・スキッドレスチューブ 白 内径2.8Φ 1巻(200M巻)
・スキッドレスチューブ 白 内径2.8Φ 15mmカット 印字文字:A 1袋
2.採用ケース
■差し込み式端子の線番識別
差し込み式端子は、フェルール端子や単線を差し込むだけで接続ができるためとても便利です。ただ、滑り止めのないチューブで識別標示を行った場合、裸圧着端子に被せて固定することができないため端末側からチューブが落下してしまいます。スキッドレスチューブを使用すれば、ヒダがストッパーとなり落下を防ぐとともに印字面を固定できるため識別も◎


3.採用実績
鉄道車両配線 インバーター配線 ホームドアハーネス コイル巻線のリード線用



4.お客様の声
実際にスキッドレスチューブを導入されたお客様からは、以下のような評価をいただいています。

「チューブがずり落ちないので、作業効率が向上した!」
「電線に対して、サイズに誤差があってもズレない」
「ズレ止め用のテープや結束バンドの材料・作業が削減できる」
「マークチューブと同じように印字ができる」
5.まとめ

スキッドレスチューブは、内側の3つのヒダでズリ落ち・回転を防止し、作業性改善に役立ちます。また内側にあるヒダにより適用電線範囲が広く、1つのチューブで複数の電線サイズに対応できるため、チューブ在庫管理の手間を軽減します。配線作業の効率化や識別性向上をお考えの方は、ぜひスキッドレスチューブをご検討ください!
