再生可能エネルギーへの注目が高まり、企業や自治体、個人レベルでも太陽光発電設備の導入が進む中、「長期的に安定稼働するシステムを構築すること」が重要な課題となっています。特に屋外に設置される太陽光発電システムは、雨風や紫外線、気温差といった過酷な環境下に常に晒されるため、ケーブルや接続部分の保護は信頼性に直結する重要なテーマです。そこで今回ご紹介したいのが、ドイツの電設資材メーカー・WISKA社の太陽光発電向けケーブル保護製品です。本記事では、WISKA社とはどのような企業なのか簡単に紹介しながら以下3製品についてご紹介します。
・SPRINT®ケーブルグランドシステム
・Brace®ケーブル保護システム
・VentGLAND®/VentPLUG

1.WISKA社とは

WISKA社は、1919年にドイツ・ハンブルクで設立された電設資材メーカーです。
創業から100年以上にわたり、ケーブルグランド、コンジット(保護管)、照明、防水通気ソリューションなどの分野で世界中のプロフェッショナルに選ばれ続けています。 同社が特に評価されているのは、「過酷な環境下でも使える堅牢な品質」と「取り付けやすく、使いやすい設計」の両立。 製品はすべてドイツ国内で設計・品質管理されており、造船・鉄道・食品加工・再生可能エネルギーなど、安全性が求められる産業で数多く採用されています。
たとえばWISKAのケーブルグランドやコンジットは、以下のような特徴で知られています。
- 高いIP保護等級(IP68/IP69)で、水・埃から確実に保護
- 紫外線や薬品、海水にも耐える素材ラインナップ
- EMC(電磁波ノイズ)対策ができる製品も豊富
- 取り付けが早く、メンテナンス性にも優れる設計
また、WISKAは ”現場の声をもとに製品を生み出す” ことを大切にしています。 太陽光発電や船舶、トンネル設備、工場内の制御盤など、さまざまな現場のニーズをもとに製品を開発し、現場での問題解決に貢献しています。
特に太陽光発電業界では、気温差や湿気、紫外線などによる結露やケーブルの劣化といった課題を解決するための専門製品が注目されています。 今回ご紹介するSPRINT®ケーブルグランド、Brace®ケーブル保護システム、VentGLAND®/VentPLUGシリーズも、その一環として開発されたものです。
2.SPRINT®ケーブルグランドシステム
── 取り付け簡単・柔軟性抜群・IP69対応の定番ケーブルグランド

ケーブルグランドとは、筐体(ボックス)に電線を引き込む際、水やホコリの侵入を防ぎながらケーブルを固定する
パーツです。長年、各種産業の現場で採用されてきたWISKAの「SPRINT®」シリーズは、太陽光発電用途にもぴったりな高性能グランドです。新商品としてM75サイズのプラスチック製ケーブルグランドが加わり使用の幅が広がりました。
【特長】
- 材質がポリアミド(樹脂製)、真鍮、ステンレス鋼のいずれの材質であっても、共通のクランプ(締め具)で使用できる、現場での使用がスムーズです
- サイズに応じた1つの組み立てツールのみを使用して取り付けができるため、施工の省力化にも貢献します
- マルチ・縮小・特殊シーリングインサートの幅広いラインナップで、異なるケーブル径や多芯ケーブルにも柔軟対応します
- 保護等級 IP68およびIP69の高い防塵・防水性能を持ち、雨風や砂塵にさらされる太陽光設備でも安心してご使用いただけます
- EMC対策として、金属ケーブルグランドにはEMCインサート、ポリアミドケーブルグランドにはMagikNUTを追加可能。電磁波障害から機器を守ります
機能性と柔軟性、施工のしやすさを兼ね備えたSPRINT®は、現場の声に応えて進化し続ける“定番ケーブルグランド”です。
≪豆知識≫
Q:EMCって何?
A:EMC(イー・エム・シー)とは、Electromagnetic Compatibilityの略で「電磁両立性」のことをいいます。簡単にいうと「他の電気機器に悪い影響を与えないこと、そして自分も影響を受けないこと」です。
身近な例を挙げると、
・テレビの近くで電子レンジを使ったら、画面が一瞬乱れた
・スマホをスピーカーの近くに置いたら、ブーッと変な音が鳴った
これは、電気の「ノイズ(=電磁波)」が飛び交ってお互いに邪魔をしている状態です。
そこで必要になってくるのが【EMC対策】です。WISKAのケーブルにはノイズを逃がす工夫や、入ってこないようにする仕組みが組み込まれています。
EMC対策の目的 | 具体的な工夫 |
---|---|
ノイズを逃がす | 金属製ケーブルグランド + EMCインサートで、ノイズをアースに流す |
ノイズを入れない | MagikNUTや密閉構造で、外からのノイズをブロックする |
▶WISKAサイト 詳しくはこちら
3.Brace®ケーブル保護システム
── ケーブルを“覆って守る”、過酷な環境対応のコンジットソリューション

太陽光発電設備の配線は、直射日光、強風、物理的な衝撃などにさらされ、長期間の耐久性が求められます。
WISKAの「Brace®」シリーズは、ケーブルの物理的保護と施工性を両立した製品です。
非金属タイプと金属タイプの2種類に分かれ、それぞれFITTING(接続部品、ジョイント)とCONDUIT(配線保護用の管、チューブ)があります。
FITTING(フィッティング)

コンジット(保護管)と機器の接続口(エンクロージャなど)をつなぐパーツです。コンジット(保護管)と機器をしっかり固定する役割があります。これにより、ケーブルが通る部分を密閉して、水やほこりから守ります。
【特長】
- 簡単に装着できるワンタッチロック式
- カラーリングで「どのコンジットに対応しているか」が一目でわかる
- 材質は非金属(プラスチック)製や金属製(メタリック)など、用途に応じて選べる
CONDUIT(コンジット)

中の電線・ケーブルを通すための保護チューブです。ケーブルを機械的な衝撃・水・砂・紫外線などから保護します。動く機械に使えば、曲げや振動からケーブルを守ることができ、ケーブルの寿命を伸ばしたり、事故防止に役立ちます。
【特長】
- 非金属製(プラスチック)は、柔軟性があり、取り回しやすい。耐久性も高い。
- 金属製(ステンレスや亜鉛メッキ)は、非常に強靭で、過酷な環境下に最適。
- 静的(固定)用途にも、動的(動く)用途にも対応。
導入すれば、機器トラブルやケーブル損傷による予期せぬ故障や修理費用を削減できるため、特に産業用太陽光発電において高い評価を受けています。
▶WISKAサイト 詳しくはこちら
4.VentGLAND®/VentPLUG
── 結露から機器を守る“通気性のある”革新的ソリューション

太陽光発電設備は、日中の高温と夜間の冷え込みにより、筐体内部と外気の温度差から結露が発生しやすいという問題があります。水分が電気系統に入り込むと、腐食やショートの原因になりかねません。WISKAはこの問題に対し、2007年に世界で初めて圧力均一化機能付きの通気ケーブルグランド「VentGLAND®」を開発。それ以降、Ventシリーズは結露対策のスタンダードとなっています。

【特長】
- 「VentGLAND®」は高通気性と高防水性(IP68/IP69)を両立。電気機器内外の気圧差を緩和し、湿気の侵入と結露を防ぎます
- 「VentPLUG」は、筐体に追加で設置することで通気経路を確保し、より効率的に圧力差を調整できます
- 材質はポリアミド、真鍮、ステンレス鋼など多岐に渡る
- ねじサイズはM12~M63と豊富です
- 耐紫外線・耐塩水・耐薬品などの厳しい環境耐性も備えています
WISKAの通気製品を導入することで、機器内部の湿気対策ができ、結果的に設備の長寿命化・保守コストの削減が実現します。
▶WISKAサイト 詳しくはこちら
5.お問合せ
──正規代理店 株式会社ケー・シー・シー・商会 まで
WISKAの製品は、どれも過酷な現場での経験とノウハウから生まれた“現場目線”の画期的なものです。太陽光発電設備に必要な性能──防水・防塵・物理保護・通気性──を高水準で満たしており、中長期的な設備運用において安心してお使いいただけます。 日本国内では、株式会社ケー・シー・シー・商会が正規代理店として、製品導入・選定・カスタマイズのご相談を承っております。気になる製品があれば、お気軽にお問い合わせください。
WISKA製品ページはこちら
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